もしも桃太郎の持っているキビ団子が糞不味かったら

昔々あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました
(中略)
お婆さんは桃太郎にきび団子を渡しました。
「ありがとうお婆さん!それでは鬼退治に行ってきます!!」と言って
桃太郎は鬼ヶ島へ向かいました。少し歩いていると犬が居ました。
「桃太郎さん桃太郎さんお腰につけたキビだんご♪一つ私にくださいな♪」
桃太郎はきび団子を犬に食べさせました。すると犬は全身の穴という穴から
血を噴出して倒れました。桃太郎はニヤリと笑うと
「こんな目に二度と会いたくなかったらば俺に忠誠を誓え!」と迫りました。
犬は息も絶え絶えにうなずきました。
犬を仲間にした桃太郎がさらに歩いていくと、今度は猿がいました。
桃太郎は猿に向かって「仲間になれ!」と叫びました。
猿は「いやなこった!糞喰らえ!」と言い返しました。
頭にきた桃太郎はきび団子を投げつけ、それは猿に当たりました。
するとなんということでしょう!きび団子の当たった部分が赤くただれて
腐り落ちていくではありませんか!猿は泣き叫びました。
桃太郎はまた薄気味悪い笑みを浮かべながら「仲間にならないと言うのならば
もっと団子を投げつけるぞ」と言いました。猿は泣く泣く仲間になりました。
犬と猿を平和のうちに仲間にした桃太郎はさらに歩いていきました。
するとキジが飛んでいました。桃太郎はキジに向かって
「きび団子やるから仲間にならんか?」と尋ねました。
キジは意外と乗り気でした。桃太郎の後ろで犬と猿が必死にジャスチャーで
「止めたほうがいい」と伝えましたが、キジはいかんせん馬鹿なので団子を
食べてしまいました。キジは痙攣を起こして死にかけましたが、犬と猿の
看病によって一命を取り留めました。
そして「友情」「信頼」「正義」の絆で結ばれた一人と三匹は鬼ヶ島に上陸
しました。上陸した途端に鬼の大群に取り囲まれましたが、桃太郎がきび団子
を掲げると鬼達はころりと態度を変えて降伏しました。
きび団子の恐ろしさを風の噂に聞いていたからです。
こうして桃太郎は鬼から宝物を取り返し、お爺さんお婆さんの家に戻りましたとさ。めでたしめでたし。