敵一匹に中程度のダメージ

朝飯を食っていると、唐突に「メラミ」を習得した。
やった!初めての攻撃呪文だ。
だいぶ前に覚えた「ザオリク」と合わせると二つの魔法が
使えるようになったことになる。
東京都でディーゼル車の規制が行われている事もあり、
近年は戦士化が進んでいるらしい。
しかも回復&攻撃を使い分けられる魔法使いは滅多に
いないぜ。友人から「君はまさか…賢者!?」と言われたが
オレのことは大魔道士と呼んでくれ。


せっかくメラミを覚えたので、街に出て試してみる事に。
少し歩いていると、空き地で焚き火をしている少年達に
出合った。なんでも焼き芋をつくりたいが落ち葉が湿って
いて火が付かないらしい。うむ、これこそオレが求むる
シチュエーションだ、魔法は人のために使わないとね。
右手に魔法力を集め、火の神の加護を授かる。
   「メラミィィィィ!!!」
巨大な火球が右手から放たれ、芋を焼き尽くす。
…ってあれ?芋は?少年達もどこいった?
この黒いススはなんだ?せっかくカッコいいとこ見せようと
思ってたのに。まぁいいや次行こう次。


また歩いて行くと、友人の野口と出合った。
野口と隣に女性がいる、誰だろう。
「おー野口、何してるの?」と声を掛ける。
すると「あっタキノか!いい所に来た、知恵を貸してくれ。
オレ、彼女と結婚したくてプロポーズしたんだ。
そしたら彼女、『私のハートを燃え上がらせるような台詞で
プロポーズしてくれたら結婚するわ!』って、でもオレ
そんな気の利いた言葉思いつかないよ…」
と泣きついてきた。 
「言葉なんか必要ないよ、俺が彼女のハートを
燃え上がらせてやる! まぁハート以外も燃え上がるかも
知れないけど…」オレはそう言って、メラミを放った。