超能力養成ソフト

マインドシーカーをやってみた。
「このふせたカードのえがらをとうしであてるんだ」
「ねんりきでこのランプをつけるんだ」
「つぎはどのボタンがひかるかよちであてるんだ」
・・・これゲーム？

まぁとりあえずやってみる。
「たきののバイブレーションをかんじるぞ」
「たきのもずいぶんエスパーどがあがってきたな」
お墨付きを貰ったので、街に出て超能力を試してみる。

街を歩いていると、電気屋のTVが「笑っていいとも」を映していた。
タモさんが一人机に座って何か言っている。
目覚めたばかりのオレの予知能力がここで発動する、
「今から観客が『そうですね』って言う！必ず言う！」
思ったとおりTVの中の観客は「そうですね♪」と声を揃えて言う。
オレ凄え！予知能力すげえ！

次は念力を試したくなってきた、しかし念力の成績はあまり良くなかったので、
あまり重くないもので試してみる事にする。
あたりを見渡すと、床に小さな綿ぼこりが落ちているでは無いか、
念力を試すには調度いい、これを見事動かしてみせる！
「はぁぁあああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜！」
息を思いっきり吸い、そしてゆっくり吐きながら目を閉じる。
もちろん頭の中では「綿ぼこりが動き出すビジョン」を想像する。
動け！動け！動け！
するとどうだろう？なんと綿ぼこりが大幅に移動しているでは無いか。
素晴らしい、念力も見事習得したようだ。

超能力を二つも使ったので、ずいぶん腹が減ってしまった、
なにか飯食えるとこないかなとうぶらぶら歩いていると、
向こうから伯母さんが歩いてきた。
伯母さんはオレを見ると「おおタキノ、調度良かった。
これ今日の売れ残りだけどあげるよ。」と言い、揚げパンをくれた。
伯母さんはパン屋で働いているのだ。
伯母さんにお礼を言い、揚げパンを見つめる。
せっかくだからこのパンの中身を透視で当ててみる事にする。
揚げパンを凝視し、全ての感覚を研ぎ澄ませる。
溢れ出る超能力パワーのせいか、手にもついつい力が入る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！」

力入れすぎてパンからカレーが漏れてきた!!