プロローグ狂気の絵本

決して満たされることの無い喉の渇き
確実に蝕んでくる左手の痺れ
もはや概念を捉えられない目蓋の奥
窓の外を眺める度によぎる不安
無いものがある数奇
無いものが無い回帰
イカれた赤いボトルだけが「生きてる」って騙してくれる
拾った青い絵本だけが過去と未来を語ってくれる