90年代の閉塞感

いまの若い奴は羨ましいよな?
小さい頃から当たり前のようにPCがあって
インターネットが繋げて
知りたい事をすぐに知ることが出来る
ツイッターやブログで自分の想いを対外に示すことが出来る。
本当に便利な時代だよなぁ?
とっても羨ましいよなぁ?
だがしかし、それらが無かった我々のあの頃が
間違っていた、価値の無いものだったと言えるだろうか?
インターネットなど普及しておらず、PCと言っても
ワケのわからないコンピューター言語を吐き出しているだけの代物。
ゲームソフトの攻略法をネットで調べてクリアなんて出来っこない。
結局クリアできずじまいだったソフトが何十個あったことやら。
隣の県で、隣の市で、隣の町がどんなもので何をしてるかなんて
知ったこっちゃない。
自転車で隣の市に行ったなんて言えばクラスのヒーローだったよ。
閉鎖されていたのだろうか?
あの頃の我々は見えない壁で閉鎖されていたのだろうか?
だからこそ「知」に関して貪欲だった。
今みたいにPCに検索したい文字を打ってクリックなんて
簡単すぎる時代じゃなかった。
知りたい、もっと知りたい、多くを細かく全て知りたい!
冬の気配を濃厚に感じる灰色の空の下、
我々は知識闘争に明け暮れていたんだ。
なんの慈しみも優しさもない冬の中で
「知」への渇望を駆り立てるんだ。
「知」を求めて徘徊する飢えた野獣だったんだ。
そして生み出された探究心、闘争心が今の我々を作り上げたんだ。
俺達はチワワやダックスフントじゃない、狼なんだ。