いつぞやの話
回転寿司を食いに行ったのさ、回転寿司。
俺が座ったのは、寿司が流れるベルトの最後の方だった、
まぁ残り物には福があるとか言うしな。
何を食おうか迷っていると、向こうで板前がプリン
らしき物を流した(プリンって寿司じゃないよな?)
そしてそれを見たオレは無性にプリンが食べたくなった。
ところがそのプリンがオレの元に到達するのには
様々な試練が…、まず第一の難関はあそこに座っている
糞ガキだ、ガキはこういうものを異様に食いやがる!
たまにはコハダやエンガワも食えよ、寿司屋なんだから。
(人のこと言えない)
とか思いつつプリンは無事にガキの横を通り過ぎた。
ところが、次に待っていたのは頭の弱そうな女子高生の
グループだ、こいつらも手ごわい、かなり手強い。
「あープリンだ、どうするー?」
「わぁーかわいいー」
「でも今はプリンな気分じゃないしー」
…死ねよテメーら!そのプリンの角に頭ぶつけて死ね!
とりあえず今お前らの前に流れてるイワシを食え!
青魚はDHAが豊富だから少しは頭が良くなるだろ!
プリンは女子高生ゾーンも抜け、順調に進んできている。
最後の難関は暇そうな奥方達だ。
あんたら亭主には飯代400円しか渡さないくせに、
自分達はウニにイクラか、おめでてーな。
奴らはプリンには全く気付かなかった、流石プリン、
ステルス爆撃機並の隠密性だぜ。
きっとプリンの上の黒い部分は特殊塗料なんだろう。
糞ガキ、女子高生、主婦の絶対防衛圏を抜けたプリンは
オレの手が届くところにまで来ようとしていた。
やったぜプリン!GETだプリン!
そしてオレは手を伸ばす。
そしてフタを空けて食う!
……これ「茶碗蒸し」だ。