大なり小 小なり大

この旅で一番心配していたのが「花咲線」で席を確保できるか、という事である。
特急列車であれば、指定席が取れる「ぐるり」を活用できるが、普通列車では
そうもいかない。自らの努力と根性で座席を勝ち取るしかないのである。
二度にわたる交通事故で腰を痛めてしまった私にとって、
二時間以上立ちっ放しというのは不可能だ。
Sおおぞらが釧路に到着してドアが開くと、私は猛然とダッシュした。
階段を下りて地下通路を駆け抜けて根室行きホームへ、地元の人らしい人の
後ろへと並ぶ。適当なところに並んで、そこがドアの位置でなかったら無意味だ。
それから1、2分経つと、Sおおぞらからの乗り換え客がぞろぞろとホームへ
上がってきた。数十分ほどで、根室行き普通列車がホームに入った。
これだけ乗る人が居るのだから、もう一両くらい増結してくれてもいいじゃないか。
ドアが開くと並んでいた人が殺到する、きちんと並んでいた私の列に割り込もうとする
不届き者が大勢いる。やらせはせん、やらせはせんぞ!
せっかく並んでいたのに割り込み客なぞにやらせはせんぞ!
前のお兄さんの後ろにぴったり付き、割り込ませる隙を与えない。
後ろの人も同じ事を考えたのか、オレの後にぴったり付く。
黒い三連星で言えばガイアの位置で突撃!
まさかオレを踏み台にして乗り込む人もいまい。
ジェットストリームアタックのお陰で無事に座席を確保した。
しかし車内は混んでいる、埼京線のラッシュ並の混み様をまさか釧路で
味わう事になるとは思いも寄らなかったのであった。