山形一周旅行

ふと海が見たくなったので、電車で庄内まで行って見る事にした。
使う切符は「鉄道の日記念切符」
これは、普通列車と快速が全路線乗り放題が三回分付いている物で、
いわゆる「やや使いにくい青春18切符」秋版だ。
だって使える期間短いし。
まぁ親愛なる日本旅客鉄道株式会社様に年貢を献上したと思えば安いもの、
使用開始の判子を押してもらい、新庄行き普通列車へ乗り込む。
平日とあって学生がやけに多い、しかしいつも思うのだが
どうして田舎の高校生は乗車マナーが悪いのだろう?
吊革で懸垂する奴なんて東京じゃ見たことないぞ。
しかも五月蝿いし…。
苛苛しながらも、電車は奥羽本線を北上して新庄へ到着する。
ここで改札していた若い駅員さんは、わりとオレの好みだったので興奮しておく。
さて、次に乗る列車まで一時間近く時間があるのと、
朝食をまだ食ってないので蕎麦屋に入る。
頼んだのは蕎麦朝定食、そして出てきたのはかけ蕎麦+ご飯。
これはどっちがおかずなんだろう…、蕎麦でご飯食うのは辛いぞ。
なんとか朝食を食べ終わり、酒田行き普通列車に乗り込む。
通勤通学列車じゃない事もあってガラガラだ。
朝早く起きた事もあってついウトウトしてしまう。
途中、どこかの駅でだいぶ足止めをくらう。
酒田方面から来る列車の遅れの影響で10分近く発車が遅れるらしい、
ちなみにいなほとの接続も出来ないようだ。
まぁオレが次に乗る列車には関係無さそうなのでまたウトウトする。
寝てたせいで最上川の美しい流れを見逃したのは残念だった気もする。
余目で降り、村上行きの列車に乗り換える。
今度の列車も結構空いているが、海側の窓際は埋まっている。
とりあえず山側のボックスシートに腰掛け、席が空く機会を伺う。
2〜3駅目辺りで人がだいぶ降りたので席を移す。
しかし青い海が見えるようになるのはだいぶ先だ、それまでは
大穀倉地帯である庄内平野を左に見渡しながら走ることになる。
ちょうど収穫期とあって、農家のお爺さんお婆さんはコンバインを用意し、
これから刈り取りを始めるようだ。
青い海はまだ見えないが、黄金色に輝く海が風を見せる。
今年も米の出来は良さそうだ。
金色の海が見えなくなってくると、今度は青色の海が姿を現した。
海から遠い山の麓に住んでいる俺にとって、海はとてもありがたいものなのだった。
何度見ても海の大きさには驚かされる。
線路が海に近くなってきたので、潮風の香りを嗅ごうと窓を開けた。
その途端に列車はトンネルに入り、窓から入ってきたのは
ディーゼルの排煙の香りだった。