もう普通列車だけで山形まで帰るとか言わないよ絶対

5:20分、目覚し代わりにセットした
携帯のアラームが鳴ると同時に跳ね起きる。
10秒あれば思考は正常に作動するようになり、
30秒あれば通常の動作をこなせる様になる。
WINDOWSよりも起動が早いんじゃないか俺は。
すぐに身支度を整え、イイとヤングに別れを告げて外に出る。
思っていたよりも迅速に行動出来た為、
予定していた快特より早いものに乗れそうだ。
ホームに滑り込んできた列車は結構混みあってはいたが、
一駅しか乗らないので気にしない。
横浜駅の喫茶店で軽い朝食をすまし、
宇都宮行き普通列車の自由席グリーン券を購入する。
東京で乗り換えないで宇都宮まで行けるのは素晴らしい。
東北人は非常に乗換えを嫌う。
その為に山形、秋田新幹線、そして青森新幹線が生まれたのだ。
であるからして、東北人の領域の南限は東京。
せいぜい一回乗り換えて山手線にくらいが限界であろう。
新幹線から中央線に乗り換えて、西国分寺から南武線へ…、
とか言われると訳が判らなくなってしまう。
ましてや、それに私鉄なんかが絡んでくると発狂だ。
東北人には私鉄とJRを乗り継ぐと言う概念はほぼ無い。
東北の私鉄は実用に耐えないダイヤか、盲腸線であるか、乗り継ぎ以上に私鉄が苦手か、
その三つともであるかだからだ。
早くて安くて豪華な小田急VSEよりも、
遅くて高くてぼろい踊り子号を使って小田原、熱海方面に向かうのが東北人よ。

そう見ると、経済、流通が終結する東京を迂回して、
宇都宮線横須賀線を結んだ湘南新宿ラインは、
東北人の心と関東以南を近づけたと言っても過言ではない。



しかし宇都宮行きのグリーン車はとてつもなく混んでいた。
座ることなどままならない。
東京が近づくにつれてパラパラと席が開き、何とか座る事が出来たが、
大船から東京手前くらいの距離でグリーン車に乗るのは勿体無くないか。
大船から渋谷、恵比寿に通勤する人が、
平日事前料金でグリーン券を買ったとしても750円掛かる。
昼飯食ってジュース飲んでお釣りが来る金額だ。
一時間も掛からない距離だと言うのに。
やはり首都圏は金持ちが多いぜ。


ちなみに、東京を抜けて赤羽に付く頃にはグリーン車はガラガラであった。


「次は雀宮、雀宮。 next station is cyuncyunworld」