オレが外に出られない日に限ってよく晴れる

・飛躍は鈍愚の罠
「ああわかるよ、誰だって自分は特別な人間だと信じてたものさ」
「しかし社会に出て、本当に自分は大したこと無い人間だったと気付く」
「大したこと無いならまだいい。全く逆の意味で特別な人間になってしまっていたかもしれない」
「まぁ脅すつもりなんじゃない。ただ、内面も外面もその程度でいいのか?」
「人間と言う同じ設計図で出来ている以上、ノーマルの状態でそこまで差は出ないと思うんだ」
「何が言いたいかって? お前、趣味は? 無いか。 それはいいとするか」
「だが、その服装、眼鏡、髪型、乗ってる車、カラオケで歌う曲、喋る話題」
「人より特別になりたいと言っておきながら、人と同じものを選んでいる」
「あえて目立たないものを選ぶことで、自分を守ろうとしてる」
「それで他人より… と言うのはどうなのだろうか?」
「とりあえず今度の日曜に仙台行こう、な?」
「あとその車は酷すぎる。平日のジャスコ駐車場でサボってる外回りの車と殆ど同じだぞ」
「ちょっとこの車借りるぞ。あ、それと三万円よこせ」



「どうだ凄いだろ、これなら誰もお前を平凡な人間とは思うまい」
『…全部の車輪テンパータイヤかよ…』