血染めのクリスタル

洋朝食定食に付く紅茶を飲みながら、車窓に伊達紋別を見送る。
斜め隣のテーブルでは、どうみても中学生くらいの四人グループが
朝食を食べながら談笑している、親はいないらしい。最近の子供は金持ちだ。
他のテーブルを見渡してみるが、どうも一人旅なのは私だけらしい。
一人でテーブルを占領しているのも悪い気がしたので個室に戻る事にする。
ベットに横たわりながらボーっとしていると、北斗星東室蘭へ到着した、
今の時刻が7:40分頃、もう二時間も経たないうちに札幌へ着いてしまう。
朝に長く乗っていられる北斗星3号のほうが楽しみは大きいようだ。
「ぐるり北海道フリー切符」を横浜の友人に頼んで購入してもらった際に
選択していた往路は3号だったのだが、その後どうしても
トマムサホロスキーエクスプレス」に乗りたくなり、3号から1号へ変更したのだ。
時刻的に3号だと札幌からトマムサホロに乗れない。
発車時刻を確認するべく、財布から切符を取り出そうとする。
その時、切符の角が指と爪の間に刺さり、結構な量の血が流れ出す、
しまったトマムサホロスキーの切符が血まみれだ、なんて不吉な。
ティッシュで拭取ろうと試みるが、赤色が広がるだけだった。
面倒くさいので諦める事にする、まぁ切符は切符だから文句は言われないはず、
そんな事を考えている間に北斗星は札幌へ到着した。