形あるもの 全て土に帰る

苫小牧の空は晴れ渡り、道も快適だ。
わりと早いペースで距離を稼げている。
今日の目的地は旭川であり、一番早いルートは道央自動車道
または国道234号線であるが、どちらも北海道らしくなくて面白く無い。
なので夕張を通る国道452号線を選ぶことにする。
夕張は是非とも行って見たかったのだ、宮脇俊三先生も
「人生に不満がある人は夕張に行ってみると良い」と仰っておられた。
とは言っても452号線は夕張市街を通らないのだが。
追分から国道274に出て、途中のドライブインでカレーを食う。
オマケで付いてきた夕張メロンゼリーがとても美味かった。
そのドライブインに隣接したホクレンで北海道初の給油をする。
ここから走る国道452にはGSがほとんど無い。
北海道を走った事のある人は知っている事だが、
夏にホクレンでバイクへ給油すると旗が貰え、
それが北海道ツーリングライダーである証(?)になるのだ。
しかし旗は貰えなかった、どうも旗をくれるキャンペーンは一週間くらい
後ならしい。なんてこった。
夕張国道は快適そのものだった。
深い森の中を突き抜ける一本道を走っていると、
なぜか故郷の山形と似ている感覚がして懐かしかった。
途中、かつて街があった場所に立ち寄る。

背の高い草が生い茂り、ここに街があったと聞いていなければ、
なんの為に道路があるのかさえわからない。
国道がすぐ近くを通っているのにとても静かで、
静かすぎて怖くなってきてしまうくらいだ。
街であった事を忘れ、自然に帰ろうとしているのだろうか。
それになんだか熊が出そうな雰囲気だ、早く退散する事にしよう。
森の中をさらに突き進み、芦別で二度目の給油をする。
満タンで150kmしか走れないのは結構面倒である。
芦別より道道4号に入る。
ツーリングマップルでは「美瑛のような丘陵地帯」と書いてあるが、
まだ美瑛を見ていないのでなんとも言えない。
しかし確かに美しい丘陵であった。
4号を抜けて国道12号へ、札幌と旭川を結ぶ道路だけあって交通量が多い。
夕張経由で来て良かった。
その後間もなく旭川へ到着。
健康ランドなのかビジネスホテルなのかマンションなのか
よくわからない宿泊施設を今夜の宿とするのであった。