崩情の雨

暗い暗いトンネルから光の元に引きずり出され…なかった。
空は更に厚い雲に覆われ、間もなく雨が降ってきたのだ。
急遽その辺のガード下に逃げ込み、こんな時の為に用意してあった
雨具を見に着ける。
これで雨には一応濡れないが、視界は悪いし路面は滑るしで
ツーリングには最悪のコンディションである。
普段に比べて疲労の蓄積するのが早い。
2〜30km走った後、道の駅のラーメン屋に逃げ込む。
こんな惨めな姿で入店したらどれだけ冷たい目で見られるのだろうと
やや不安ではあったが、
店の人も客もこういうライダーは見慣れているらしく、
別段変わった反応は無かった。
旭川ラーメンの汁を啜って暖を取り、30分ほど外の様子を見てみる。
雨足が弱ってきたのを見計らって出発。
美瑛に入った頃には晴れ間が見えていた。