東北本線の百年密室

一次試験を受けに行くと言う理由で己を納得させ、
昼過ぎの仙山線に乗り込む。
18きっぷで鬱都宮まで約6時間、ipodくらいじゃ間が持たないし
バッテリーも持たない。
こんなこともあろうかと思い、本を持って来ていてよかった。
結構な分厚さとサイケな表装が重厚感を醸し出している。
読み耽けりながら福島で乗り換え、郡山に停車した頃には
外はすっかり暗闇に包まれていた。
ステンレスの電気稼動密室の中で読んだ「女王の百年密室」(森博嗣
はとても印象深いものとなる。
何処かに旅に出るとき、何かの本か映画を見るのが俺の旅のやり方なのだ。
そうすれば、その本や映画を数年後また見たとき、
旅の思い出も鮮明に脳裏に浮かびだす。
「記憶の関連付け」ってやつだ。
黒磯に着く前に読みきってしまったが、
その後、宇都宮までは内容を思い出しながら楽しんでいた。
荷物を置いた後、名物の餃子を食べてまたホテルに戻る。
宇都宮駅前はあまり雰囲気が良くない。
水商売系の店と、それに付随するポン引きが目に付くからだ。